21日、インターネットの根幹といえる世界の13台のコンピューター(ルートサーバー)に、大量のデータを送り付けて機能をまひさせる攻撃が一斉に仕掛けられ、一時、サーバーの機能が低下していたことが22日、発見されました。
ルートサーバーは、インターネット上のコンピューターのアドレスを管理しており、欧米、日本に分散して設置されています。関係者によると、攻撃は米東部時間21日午後4時ごろから始まり、日本や米エネルギー省、スウェーデンのものなど7台が大きな影響を受けました。
攻撃は1時間程度で、サーバー管理者が対策を講じた事もあり、甚大な被害はありませんでしたが、今回の攻撃はインターネットの中核であるコンピューターへの攻撃と言うこともあり、米ホワイトハウスや連邦捜査局(FBI)などが捜査に乗り出しましたが、攻撃がどこから仕掛けられたのかはまだ分かっていません。
このルートサーバー、簡単に説明しますと、インターネットのwww.yahoo.co.jpなどのアドレスからその該当するコンピューターへ接続するための情報を提供するネームサーバーの最上位に位置するサーバのことです。
世界中で13台のルートサーバーが負荷分散して動作していますが、今回はこの13台に攻撃が仕掛けられた事になります。
この13台が完全に停止しますと、インターネットのアドレスに関する情報が得られなくなり、最悪の場合、ホームページもメールも出来なくなってしまう可能性があります。もちろん、携帯のメールアドレスもこのルートサーバーに依存していますので、携帯のメールも使用できなくなります。
13台は、米Network Solutions社に2台、ネットワーク管理団体IANA、ヨーロッパのネットワーク管理団体RIPE-NCC、米PSINet社、米ISI(Information Sciences Institute)、米ISC(Internet Software Consortium)、米Maryland大学、米航空宇宙局(NASA)、米国防総省、米陸軍研究所、ノルウェーのNORDUnet、日本のWIDEプロジェクトで各1台ずつを管理しています。
非常に身近な存在になって、もはや繋がることが普通となったインターネット。世界全国で繋がっています。しかし、逆に言えば全世界どこからでも、インターネットに繋がったマシンを攻撃できてしまうと事。新しいテロの標的として、インターネットが利用される可能性は否定できません。