Microsoftは4月3日、「超低価格PC」(Ultra-Low-Cost PC:ULCPC)と呼ばれるクラスのコンピュータ向けに、「Windows XP Home Edition」の販売を継続することを明らかにしました。ULCPCとは、スピードの遅いプロセッサ、小型のディスプレイ、そして、一般的なHDDではなくフラッシュメモリを採用したカテゴリのコンピュータを指しています。日本でも工人社やASUSのミニノートパソコンが注目されていますよね。
ULCPCのシステムで採用されている最小ハードウェア構成は、まだまだVistaには不向きであると言わざるを得ません。Windows XPの提供打ち切りが決定されると、多くのコンピュータメーカーがLinuxへと流れていく可能性もあり、それゆえに今回の延長が決まったという意見が多いようです。
全体的な流れとしては、大手コンピュータメーカーは、(ULCPCを除く)他のクラスのコンピュータに関しては、2008年6月にWindows XPの販売を停止する予定になっています。Windows XP向けのメインストリームテクニカルサポートは、2009年4月まで提供予定で、拡張サポートは2014年4月まで継続します。
コンピュータメーカーは、2010年6月30日か、Windowsの次期メジャーリリースである「Windows 7」の出荷1年後か、どちらか遅いほうの期限まで、ULCPCにXP Homeを搭載して新規販売を行うことができると、Microsoftは発表しています。
あるMicrosoftの代表者は、同社が、Vistaの次期OSを、2007年1月のVista発売から約3年後に出荷する予定にしていることを、改めて明確にしているようです。
Microsoftは3日に、フラッシュメモリベースのコンピュータメーカーがWindowsの採用を容易に進められるようにするため、新たなガイドラインセットもリリースしています。ULCPCの大半はLinuxを搭載して発売されたものの、Asusの「Eee PC」のように、Windowsバージョンが提供されたモデルもあります。
Microsoftは、すでに1度、Windows XPの提供期限を延長しています。当初は2008年1月が提供期限となっていたものの、コンピュータメーカーが6月までWindows XPの販売を継続できるとの方針を、Microsoftは2007年9月に明らかにしていました。
同時に、Microsoftは、新興市場のコンピュータメーカーに対しては、2010年6月までWindows XP Starter Editionを搭載するPCの販売を認めるとの発表も行っていました。
Starter Editionのみでは、新興市場の需要を完全に満たすことはできないことと、新興市場以外でも、省電力低コストノートPCへの需要が高まっていることが言えます。
2008〜2009年にかけて、各企業のPCリースアップ時期を迎えるようです。XPマシンで構築したインフラをVistaベースへ引き上げざるを得ない状況がいよいよ本格的に到来しそうです。情報部門の関係者は、また地獄のようなシステムトラブルを解決して行かなくてはいけないのでしょうか。