少し古いニュースですが、気になるニュースを再度取り上げてみました。
月額5000円ほどで完全定額制が当たり前のブロードバンド(高速大容量)通信料が、利用量の多いユーザーについて、値上げや追加料金支払いが避けられない見通しとなってきたとのことです。
動画配信の急速な普及などによる通信量増大でネットワークの設備増強が必要なうえ、通信各社が構築を進める次世代ネットワークでは高品質な動画配信などの視聴に付加料金が必要になる可能性が高いためとのこと。総務省の「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」がまとめた最終報告書「新競争促進プログラム2010」で、こうした追加料金徴収の妥当性についても議論が必要と指摘されました。
これを受け同省は「適正なコスト負担のあり方に関する検討会」を設置したようです。NTTなどの通信事業者に加え、大手・中小のインターネット接続事業者(ISP)、USENやグーグルといったコンテンツ(情報の内容)やネットサービス提供事業者が参加する見通しで、7月までにコスト負担のあり方について結論を出すとのことです。
日本は大容量の光ファイバー通信サービス利用者が600万件に達するなど、世界でも突出して格安のブロードバンド環境が普及しています。これによりウィニーで注目されたファイル交換ソフトなどで個人がやり取りする画像や動画ファイルなどの通信量が爆発的に増加しているほか、USENの「(GyaO(ギャオ)」など無料ネット放送や音楽配信サービスなどによる通信量の増加も加速しています。
こうした通信量の増大により、通信会社の回線容量は徐々に逼迫(ひっぱく)する事態に直面しているとのこと。インターネット接続事業者(ISP)の設備増強が追いつかない状況となってきているようです。
このため、ISP間のネットワーク接続料が急激に上昇するケースも出現。中小のISPでは経営困難に陥るケースも顕在化しており、コスト回収手法が課題になりつつある状態です。
ブロードバンド大国となった日本が世界に先がけて直面している課題だけに、今後の検討内容は「欧米、中国にも影響を及ぼす」(同省懇談会座長・林敏彦放送大学教授)こととなりそうです。